2018年3月26日月曜日

クロスバイク通学ロードバイク通学する新入生と保護者の方へ(1/2)

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近年クロスバイクやロードバイクで通学する高校生が増えていますね。
新年度入学もそろそろ通学用自転車を準備する頃でしょうか。
もう買っちゃったかな。

余計なお世話は承知の上で
先輩自転車通学生(通勤者)から少しアドバイスさせてください。

私は現在クロスバイクで通勤をしており
高校時代はランドナー(ドロップハンドルの旅行車)で
通学をしておりました。

ですからここから書く話は
「だからやめておけ」ではなくて
「乗るためにこのようにすべき」
という方向性です。

クロスバイク・ロードバイクは通学向きではない



まだ自転車を購入されてないなら
できれば通学用自転車には
実用車・軽快車を購入されるのをおすすめします。

クロス(ロード)バイクは「スポーツサイクル」と呼ばれるように
純粋に走ることを楽しむための自転車です。

そのために実用性や耐久性、安全性よりも(法律の範囲内で)
軽さや走行抵抗の軽減を重視しています。

例えば
前ギアのカバーがなかったり
泥よけがなかったり
軽いホイールやタイヤが使われていたり
乗ったときに前傾姿勢が強い
といったようなことです。

そのことによる
クロスバイク・ロードバイクが通学向きではない
という理由を以下説明します。

1.制服で乗るのに向いていない


(1)前ギアのカバーがついていないことで


ズボンの裾がギアとチェーンに触れるので
汚れたりすり切れたり
最悪巻き込んで事故につながる可能性がある。
・裾止めバンドを使用して対策は出来ます。

(2)前傾が強い乗車姿勢なので


生地の固い制服では体が突っ張る。
成長して制服が小さくなればなおさら。
・脱げばいいが、脱いだ制服の持ち運びが困難。
・寒い時期には脱げない(ジャンバーが許可されていればいいですが)。

(3)冬服期間でも暑い時期はものすごく汗をかく。

・脱げばいいが、脱いだ制服の持ち運びが困難。
・前をはだけるとばたついて危険。

2.たくさんの荷物を運ぶのに向いていない


(1)キャリア(荷台)がついていないので


バックパック(リュック)を使うことになります。
たくさんの教科書・ノート、部活の用具、お弁当、水筒など
かなりの重量を背負うことになります。
スポーツバイクでバックパックを背負うときは
18リットルぐらいが限界ではないかと考えていますが
高校生は30リットルクラスの四角いのを使うことが多いようです。
重量物をしょっているので疲労がたまりますし
とっさの動きが制限されて危険です。

(2)かごがついていないので


衣服の調整が困難です。
暑くて脱いだ学生服のしまいどころ
雨上がりのカッパのしまいどころがないので
体温調整を我慢したまま走り続けなくてはなりません。
それ故高校生はカッパを着たがらず
雨に濡れながらの登校が目立ちます。

3.天候の変化に弱い


(1)泥よけがついていない


クロス(ロード)バイクには泥よけがついていません。
通勤通学は毎日のことなので
雨や雨上がりでも乗らないわけにはいきません。
泥よけがないと路面の汚れた水が跳ね上がり
背中に泥の筋を一本作ることになります。
おそらくイメージしているより激しく跳ね上がり
頭まで届くと考えておいた方がよいです。
また前輪側は跳ね上げた水が
シューズやズボンの裾を汚します。

カッパを着ればいいのですが
前述のようにカッパの携行もハードルが高いうえ
大きなリュックも包み込めるサイズ(デザイン)か
リュックの防水カバーも必要です。

(2)細いタイヤはスリップに弱い


クロス(ロード)のタイヤは
スリック(溝がない)であることより
その細さのために雨天時滑りやすいです。
特に後輪が横にもっていかれます。
・さらに動きにくい服装と荷物では立て直し難い・・・

(3)ブレーキが弱い


クロスのVブレーキはそうでもないのですが
キャリパーブレーキのロードバイクは
雨天時効きがあまいです。
それは信じられないくらい。

レースで緊急停止することはまずないため
(トラックレースに使用するピストバイクにはブレーキすらついていない)
もともとこの手のブレーキは急制動を目的としておらず
晴天時でさえ急ブレーキしにくくなっています。
   
安いバイクについているものならなおさら。
   
さらにドロップハンドル用のブレーキレバーは
思いの外指がかかりにくく力を入れにくいです。

(4)雨天時や雨上がりは特にパンクしやすい。


パンクの話は後でもう一度まとめますが
路面のゴミが水に乗って路肩に流れてくる
雨天時や雨上がりは特にパンクしやすくなります。

4.通学ではクロス(ロード)の良さが生かされない


(1)車体の軽さが生かされない。   


はじめに述べたようにクロス(ロード)バイクは
その軽さが走りを軽くする要因なのですが
例えば10kgのクロスでも
体重60kg荷物10kgスタンドとライトなどで1kgだと
合計81kgになります。
対して20kgの実用車でも
体重60kg荷物10kgスタンドとライトはついてますから
合計90kg。
   
自転車本体は1/2の軽さでも
総合的には8/9程度のメリットしかありません。
   

(2)距離が短ければ短いほど通学にかかる総時間は変わらない。


クロス(ロード)バイクのほうが
当然トップスピードは高いのですが
通学距離が短く
おまけに信号が多かったりすると
トップスピードにもっていく時間は短くなります。
また汗をかかないように適度に走ろうとすれば
その差はさらに小さくなります。

そしてクロス(ロード)は
実用車のように鞄をかごに放り込んで
自転車についている鍵を解除すればスタート
という訳にはいきません。

毎日のように空気圧調整をして
(現実には1週間に1回程度か。週末に整えておけば問題ない)
ワイヤー錠を外してバッグに入れ
電池式のフロントライトを装着し
ズボンの裾に裾止めを巻いて
ヘルメットを着用し(ヘルメット、かぶるよね)
そしておもむろに出発です。
   
たいしたことなさそうに見えるけど
朝の一手間がどれだけ大きいかはわかるはず。
ワイヤーロックやライトや裾止めが見つからなかったときの
朝の家庭のぎすぎす感は想像にあまりあります。

(3)当然のことながら通学路ではそんなに速く走れない。


混雑する通学路を自分の思うスピードでは走れません。
むしろ走らないでください。

クロス(ロード)で結構なスピードが出ているのは
自転車そのものの性能より
こぎが速いことに起因します(当たり前ですが)。
学校についたとき汗だくになりたくなかったら
そんなにしゃかりきにはこがない方がいいです。
(したがってそれほどのスピードは出ない)

同様の理由で
坂も思うほど楽には上れません。
確かにクロスバイクでは1:1に近いギアレシオ
(クランク1回転でタイヤ1回転)
が選択できますが
脚は楽になっても心肺が苦しくなったりと
そう楽はさせてもらえません。
しゃかりきにこいでいるからスピードだして上れるのです。

楽に坂道を登りたいなら
電動アシスト自転車に勝るものはありません。

また
5%程度の斜度の坂を
変速のないママチャリで登っていく女子高生も多いです。
さすがに1年生のうちは押し歩きですが
そのうち登れるようになるんですね。
   
3段ぐらいの変速がついている通学車でも
結局一番重いギアで登っていたりね。

元々実用車は設定ギヤ比が低いわけですが
そもそもスピードを追求しない以上
それで十分だということがいえます。

5.パンクのリスク

クロス(ロード)バイクは走行抵抗を低減させるため   
軽くて(薄くて)細いタイヤを使っています。
ですから実用車なみの対パンク性能というわけにはいきません。
実用車であればチューブまで届かない細かな突起物で
パンクをしてしまうことがあります。
   
またそのような突起物は
雨水によって路肩に集められるので
雨の日や雨上がりにはパンクのリスクが高まります。

パンクを修理できる(チューブを交換できる)か
すぐ対応してくれる自転車屋さんを近くに持っておく必要があります。

6.スピードがリスクを大きくする。

最後が一番重要な点ですが
   
クロス(ロード)バイクはスピードが出るように設計されています。
ですから転倒したときの衝撃も大きいですし
危険回避も難しくなります。

スピードを出さないことが一番ですが
交通ルール・マナーを守るのは当然として
その上に他の自転車や車、歩行者の動きを十分に察知して
早めに止まるなどの気遣いが必要です。

   
ここまで
クロスバイク・ロードバイク通学の
リスクばかりを並べてしまいましたが
かなり長いエントリになったので

楽しくクロスバイク・ロードバイク通学するために
気をつけるべき点は
次回書きたいと思います。


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